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コネクターを付ける方法

 コネクターを付けるのはテクニックが必要です。コネクターの種類にもよりますが、基本は同じなので、覚えておいて損はありません。

 コネクターはエレクトロニクスだけでなく、メカトロニクスや自動車などでも多く使われています。

コネクターを付けるのに必要なもの

コネクターとコンタクト・ピン

 コネクターを付けるには、まず必要なコネクターのケース(ハウジングと呼ばれることもあります)と、そのハウジング用のコンタクト・ピンが必要です。当然、コネクターを付ける電線が必要ですが、これは言うまでもありません。

コネクターのハウジングとコンタクト・ピン

 コンタクト・ピンは、付けるのに失敗する可能性が高いので、多めに購入しておきましょう。

 左側のコンタクト・ピンは、おもに3つの部分から成り立っていて、先端(写真上)は、相手側コネクターにささって電気を流す部分なので、潰したり曲げたりしないように注意しましょう。この部分を潰してしまうと、コネクターがささらず、コンタクト・ピンも抜けず、ハウジングごと買い直すはめになります。

 コンタクト・ピンの中央部分は、電線の芯線(銅線)を強い力で圧着して電気を流す部分ですので、しっかりと圧着しないと、電線ごと抜けてしまったり、電気が通らなかったり、電気を通した際に発熱して火災の原因になったりしますので、もっとも注意を要するところです。

 コンタクト・ピンの下の部分は、電線の被覆(ビニールなど)を固定する部分ですので、ここに銅線を包んでしまうと、電線が断線しやすくなって故障の原因になりますし、芯線の一部が断線すると電気抵抗が大きくなって発熱し、しまいには火災の原因になることもあります。

コネクターのコンタクト・ピンを付けるには圧着工具が必要

圧着工具の例

 コンタクト・ピンを正しく付けるには、圧着工具が必要です。本当は専用の工具がコネクターのメーカーから出ているのですが、非常に高価だったり、納期がかかったりしますので、コネクターの圧着を専業にするのでなければ、数千円の市販品を用意します。

 自動車用などでは、コネクターと圧着工具がセットになって千円ほどで買えるものもあるので、それをお勧めします。

 電子用では、コンタクト・ピンが小さい場合が多いので、上の写真のような小型の工具が必要になります。

圧着工具の溝を正しく選ぶ必要がある!

圧着工具(圧着ペンチ)の圧着部分

 圧着工具には、複数の大きさのコンタクト・ピンに対応できるように複数の溝があるものが多いです。上の写真の圧着工具では、コンタクト・ピンの幅で1.6mmから2.3mmまで、4段階の溝があり、圧着するコンタクト・ピンの幅に応じた溝を使って圧着します。

 自動車用や電気用のコネクターでは、もっと幅の広いコンタクト・ピンが使われることが多いので、それに対応する幅の圧着工具を用意します。

 また、上の圧着工具では、「オープンバレル」と呼ばれるコンタクト・ピンの片側が開いた「たる」の形をしたもの専用の工具ですので、「圧着端子」と呼ばれる円筒型の端子では、それに対応した別の形の圧着工具が必要です。

日本航空電子(JAE)のコネクターに使える圧着工具の例

コンタクト・ピンの圧着手順

コンタクト・ピンを圧着工具のサイズの合った溝に挟む

 まず、コンタクト・ピンの中央部分(芯線位置)を圧着工具のサイズの合った溝(この場合は幅1.7mmで高さが低い)に、正しい向き(オープンバレルの開いているほうを「ハート形」になっているように向けて)に挟みます。

 このとき、コンタクト・ピンの先端部分(上の写真の左側の部分)は、絶対に挟まないようにします。ここを少しでも曲げたり潰したりするとコネクターとして機能しなくなります。

圧着工具で挟んだコンタクト・ピンの中央部分に電線の芯線(銅線)部分だけを入れる

 次に圧着工具を軽く握ったまま、電線の芯線部分(銅線部分)だけを圧着工具の中に差し込みます。このとき、電線の被覆(ビニールなどの)が少しでも入ってしまうと、電気が流れなくなる「圧着不良」となりますので、かならず導線部分だけを差し込みます。

 そうして圧着工具を強く握れば、コンタクト・ピンのオープンバレルのU字型の両側が丸め込まれて、きれいな「ハート型」に芯線が固定されます。

コンタクト・ピンに芯線が「ハート形」に包み込まれたところ

 そして、右側の爪で電線の被覆(ビニールなどの)部分を包み込んで電線が抜けないように、電線が断線しないように保護します。

 このコンタクト・ピンでは、爪が互い違いに付いていますので、丸め込む形で固定します。

芯線を押さえる爪を丸め込むために丸い溝で挟んだところ

 電線のビニール部分を丸め込むために、丸い溝を使いますが、最初は爪が大きく開いているため、圧着工具の先端部分の平らな所で軽く挟んで爪を平行に揃えるか、大き目の丸い溝で軽く挟んで爪を軽く丸め込むかします。

 そして、このコネクターでは、コンタクト・ピンを入れるコネクターのハウジングの穴の幅が2mmしかないため、2.5mmのままではコネクターのハウジングに入りません。

 そこで、圧着工具のΦ1.8mmの丸い溝で更に強く挟んで丸め込みます。

更に直径1.8mm(Φ1.8)の丸い溝で丸め込んで電線のビニール部分を包む

 すると、コンタクト・ピンの外側の爪が互い違いに丸め込まれ、電線の被覆(ビニールなどの)部分が包み込まれて、引っ張って抜けたり、断線したりしにくくなります。

 この時点で、試しに電線を軽く引っ張って抜けないようであれば大丈夫です。あまり思い切り引っ張ると必ず抜けて、コンタクト・ピンが無駄になりますので、軽く引っ張るだけにしてください。

 ちなみに、家電製品の電源プラグをコードを引っ張ってコンセントから抜いてはいけないのは、そうすることで電線がプラグから抜けたり、芯線が抜けてショートしたりするためで、コネクターを引き抜くときも、絶対に電線を引っ張らずに、かならずコネクターのハウジングを持って引き抜いてください。

コンタクト・ピンが正しく圧着できたところ

 そうすると、上の写真の右側のように、爪が互い違いに確実に綺麗に電線の被覆(ビニールなどの)部分を包み込んでいるのがわかると思います。

 そして、圧着したコンタクト・ピンを、コネクターのハウジングの穴に正しい向きに(この場合はコンタクト・ピンの裏のトゲがハウジングの奥の溝に合うように)挿入すると、「カチッ」と音がして、コンタクト・ピンの裏のトゲがハウジングの溝に引っ掛かって簡単には抜けなくなります。

ハウジングにコンタクト・ピンを正しく装着したところ(左側の1本のみ)

 もしも失敗したら、コンタクト・ピンのトゲを「マイナス・ドライバー」などで潰せば、電線ごとコンタクト・ピンは抜けますが、そうするとコンタクト・ピンのトゲが金属疲労で柔らかくなったり折れたりして、コネクターに差し込むと、そこのコンタクト・ピンだけ抜けて来ますので、基本的には新品のコンタクト・ピンを付け直すことになります。

失敗するとコンタクト・ピンが無駄になる!

 ただし、コンタクト・ピンを付け直すと、電線が短くなって、他の電線と長さが揃わなくなったり、電線の長さが足りなくなったりしますので、製品などでは失敗すると、コンタクト・ピン、ハウジング、電線の全部が無駄になります。

コネクター圧着の失敗例はこちら