アナログは連続的と言われますが、たとえばスーパーの肉などで考えると、100gで298円とかは、重さを測って値段が決まるようなものです。それに対してデジタルは1パック298円のように、数量(数値)で決まるのがデジタルです。
もし、お金がアナログだとしたら、たとえば298円を払うのに百円硬貨を3個渡して、100円硬貨の2%だけを切り取ったお釣りをもらうことになります。これは犯罪ですし、いちいち重さを測って取引するのは面倒なので、硬貨はデジタル方式で、たとえば100円硬貨を3枚渡して1円硬貨2枚をお釣りとして受け取ります。
金などの貴金属の取引では、まず金の含有率を調べ、重さを測って、
買取価格 = 金の含有率 × 重量 × 買取単価
というふうに計算しなくてはなりません。実際には秤(はかり)に計算機能があるものが多く、たとえば「18金」などの金の含有率のボタンを押し、買取単価をあらかじめ設定しておけば、重さと買取単価が表示されるようになっているので、ここまで手間はかからないのですが、アナログは面倒です。
それに対して、金のインゴット(金塊)では、金の含有率と、重さが刻印されています。これだけでは、その刻印が本当かどうかはわからないので、「信用のおける社名」が刻印されていれば、そのまま本物とされることも多いです。残念ながら「金のインゴット」の写真はありませんが、これがデジタルです。
2進数のお金と10進数のお金
上の図は、2進数のお金と10進数のお金の例です。実際には2進数のお金はありませんが、2進数のお金があるとすれば、額面ごとに重さが違います。2進数のお金では、1円の上は2円、2円の上は4円と、2倍ずつ大きい硬貨があります。
たとえば、2進数のお金で2万3千4百5十6円を払ってくださいと言われたら、とっても計算が面倒ですよね?
それに対して、普段使っている10進数のお金なら、上の図の下半分のように簡単に払うことができます(簡単に出せる金額ではありませんが)。
このように、10進数は人間にとってわかりやすいのですが、コンピューターなどのデジタルでは処理が大変です。
2進数の良いところは、1円、2円、4円、8円…が各1枚ずつあれば、理論的にはどのような金額でも払えることです。
つまり、1円、2円、4円、8円という「お金の重み」ごとの硬貨が「ある」か「ない」かで、金額を表すになります。
この「ある」が1で、「ない」が0です。つまり10進数の15を2進数に直すと、
1111
になります。
10進数の10を2進数に直すと、
1010
になります。
このように、2進数では数値を0と1で表します。いいかたを変えれば、0、1、の次は2ではなく、10になります。
このように「2になるとケタが進むので2進数」というのです。
10進数では、10になるとケタが進みます。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
のようになるので10進数なのです。
2進数の利点
では、わかりにくい2進数の利点とはなんでしょう? それば、数値を0と1だけで表すので、0を「オフ」、1を「オン」といいかえれば、トランジスターなどの半導体(はんどうたい)で、表して計算することができるのです。
難しいはなしになりますが、このトランジスターの性能(せいのう)が2進数のばあいは、とっても悪いものを使えます。
つまり、計算を2進数ですれば、安く作れるのです。
2進数の欠点
二進数の一番の欠点は、人間にわかりにくいことです。なので、じっさいには人間と接するところだけ10進数にして、わかりにくさを防ぎます。
たとえば、電卓(でんたく)では、0から9までの「10キー」があり、10進数で数値を入力し、計算結果は「液晶ディスプレイ」で10進数で表示されます。
パソコンでも、キーボードには0から9までのキーやAからZまでのキー、記号のキーなどがあり、結果はディスプレイに基本的に10進数で表示されます。
人間の感覚はアナログなのでデジタルとの変換(へんかん)が必要
人間の感覚は基本的にアナログです。たとえば「明るさ」を表現するのに「数値」で表現する人はいませんよね? 同じように、音の大きさや高さなども数値で表現する人はいません。匂い(におい)も数値で表現する人はいません。味も同じ、痛覚も同じです。
そこで、人間が使うものは、基本的にアナログとデジタルの変換が必要になります。たとえばスマートフォンなどでは、人間の声を「マイク」で電気信号に変換(へんかん)して、音の大きさのアナログ信号をデジタルに変換し、デジタルで圧縮(あっしゅく)し、デジタルで電波に乗せて送ります。
相手からの声は、デジタルで電波を受信し、デジタルで圧縮された音声や映像を元にもどして、アナログに変換し、スピーカーで空気の振動に変えて耳に届いたり、色と明るさに変換して画面に表示したりします。
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