ユニバーサル基板の種類
ユニバーサル基板には、どのような回路にも使える「汎用基板」と、特定の回路に適した「専用基板」があります。
汎用基板は、「蛇の目基板」、「ドット基板」とも呼ばれ、ユニバーサル基板全面に一定間隔で穴があけられ(穴ピッチ)、穴の裏側(あるいは両面)にランドと呼ばれる銅箔が付いています。


ドット間隔(ドット・ピッチ)は、近年では2.54mm(1/10インチ)が多いですが、ICがなかった頃には、トランジスタ回路に適した、4mmないしは5mm間隔のユニバーサル基板も多く存在しました。
近年は、ICを使わない回路はあまりなく、他の電子部品も2.54mmピッチのものが多くなったため、2.54mmピッチのユニバーサル基板を使うのが一般的です。
コネクタなどに2mmピッチのものも多く存在するため、部分的に2mmピッチのものも少しありますし、全体が2mmピッチのものもありますので、注意が必要です。
2.54mmピッチ以外の部品を付けたい場合は、「ピッチ変換基板なるものが売られていますので、そちらをユニバーサル基板に重ねて使うと便利です。
ユニバーサル基板の材質



紙フェノール(ベークライト)基板

昔ながらの絶縁物のフェノール樹脂(ベークライト)を紙にしみこませて作られた基板で、価格が安く、加工がしやすい利点がありますが、熱で反ったり焦げたりすることがあり、また非常に割れやすいのと、独特の嫌な匂い(アンモニア臭に近い)があるため、安価な家電製品などに良く使われていますが、あまりお勧めしません。
紙エポキシ基板

透明なエポキシ樹脂(着色したエポキシ樹脂もある)を紙にしみこませて作られた基板で、フェノール樹脂のような匂いもなく、比較的安定した性能を発揮します。ただ、所詮は紙なので、熱に弱く、割れやすいのは紙フェノール基板と同じようなものです。
せっかく丹精込めて作った回路を落としたり、ネジ止めする際に割れてしまっては、泣くになけないので、できれば次に挙げるガラスエポキシ基板を使いたいところですが、やや高価(昔よりはだいぶ安くなっています)なのと、基本的にはスキー板を薄くしたような構造ですので、切ったり穴をあけたりの加工がしにくいです。
ガラスエポキシ基板(コンポジット基板)

ガラス繊維にエポキシ樹脂をしみこませて作られた基板で、いわゆる「グラスファイバー基板」です。スキー板、スノボー板、釣竿、バスタブ、モーターボートなどに良く使われる材質で、しなやかで割れにくく、低温や高温にも耐え、海水や硫黄泉などの薬品にも強く、電気を通さないために基板の材質としては最高の性能を誇ります。
金のこなどで切ると、刃がすぐにダメになりますし、ドリルで穴をあけたり広げたりするにもドリルの刃がすぐに(100回ほどで)切れなくなります。
タンガロイなどの超硬ドリルを使えば、ある程度寿命は長いですが、超硬ドリルは折れやすく、価格も高いので、できれば加工は避けたいところですが、加工しないのであれば、熱にも薬品にも強く、絶縁性能も高く、経年変化も小さく、基板の反りなども起こりにくいため、現時点では最高の(宇宙開発用のテフロン基板などを除けば)基板です。
値段も基板の有名メーカーの「サンハヤト」などの製品は高めですが、秋月電子で買えば割とリーズナブルな価格で購入できます。