ユニバーサル基板を使って電子基板を自作する方法を、その失敗例を挙げながら専門学校講師が解説します。
これでも私がいくらか修正した回路基板の例です。はんだ付けの加熱不足で、はんだを溶かしてこすりつけているため、まともに電気が通りません。
基板内の配線は、基本的に複数の細い線がより合わさった「撚り線」でなく、芯線が1本だけのラッピング線(商品名:ジュンフロン線)などの「単線」を使います。
単線は、芯線が1本だけなので、何度も折り曲げると金属疲労により芯線が断線しやすいですが、いくらか太めの単線で配線すれば、しっかりと固定されて見た目も綺麗ですし、配線の確認も容易ですし、電流も確実に流れます。
高周波回路では、単線は表皮効果により芯線の表面にしか電流が通らないため、極細の銅線を撚り合わせた「リッツ線」などの線を使う場合もありますが、基本的には基板の配線は単線で行います。
ユニバーサル基板の配線に使う電線の太さ
単線は芯線の直径またはAWGナンバーと呼ばれるアメリカの電線の規格番号で選びます。直径0.26mm(AWG30)ですと、やや頼りないので、0.3mm(AWG28)程度が使いやすいと思います。ただし、電源や電力線には、流す電流に耐えられる太さの電線が必要です。2アンペア程度であれば、0.4mm(AWG26)、3アンペア程度であれば0.5mm(AWG24)の電線を使うと良いでしょう。