ユニバーサル基板の使い方

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ユニバーサル基板のサンプル写真 電子機器組立
ユニバーサル基板の例

 ユニバーサル基板(汎用基板、蛇の目基板)を使って電子回路を組み立てる際には、次のようなことに気を付ける必要があります。

正しくユニバーサル基板の種類を選ぶ

 ユニバーサル基板には種類があります。種類には、材質、片面/両面、スルーホール有無、銅箔(ランド)形状、厚さ(1.6mmが多い)などの種類があります。

ユニバーサル基板の選び方はココ

正しく部品をはんだ付けする

 部品は、基本的には高さの低い順に付けたほうが楽ですが、ICなどの中核となる部品がある場合、それを先に付けないと、その後の配線や抵抗、コンデンサなどのICにつなぐべき部品を付けられません。

 また、ICなどの半導体は熱や静電気に弱いので、できるだけICソケットを利用して、まずICソケットを先に対角の2本のピンだけはんだ付けし、向きの間違い、傾き、浮きなどがないことを確認してから、残りのピンに抵抗やコンデンサなどのリード線(足)を曲げてICソケットのピンの直前で切り、はんだ付けします。

ICは熱や静電気に弱いため出来るだけICソケットを使うのが良い
ピン数の多い部品は位置、向き、傾き、浮きなどの問題があっても修正しやすいように対角の2本だけを仮にはんだ付けすると良い

 対角の2本だけをはんだ付けした状態であれば、向きに間違いがあった場合や、傾き、浮きがあっても簡単に修正できますが、全部のピンをはんだ付けしてしまうと、修正することがほぼ不可能です。高価な電動のハンダ吸い取り器で訓練を積めば、取ることも出来なくありませんが、加熱で銅箔が剥がれたり、糸ハンダに入っているフラックスで汚く信頼性が低くなりますので、あまり使わないほうが賢明です。

ハンダ吸い取り器の写真
ハンダ吸い取り器の例
ICソケットなどの中核部品の次は高さの低い部品から付けると裏返してハンダ付けする際に部品が落ちなくて楽にできる
抵抗やコンデンサなどの部品のリード線は曲げて接続先のピンの直前で切ってハンダ付けすると綺麗に確実に配線できる(先に切らない)
部品のリード線で配線する際には隣の銅箔を介してショートしないように90°または45°に曲げて配線する
高さの低い部品を次々と付ける
同様に部品のリード線を接続したい箇所の直前まで曲げて切ってハンダ付けする
接続先がまだ存在しない部品のリード線は接続予定の向きに曲げて切らないで置く
積層セラミックコンデンサなどのバイパスコンデンサはICソケットのピンに最短距離で曲げて切ってハンダ付けする
隣の銅箔に乗らないように注意する(ショートで部品が壊れるのを防ぐため)
抵抗などの部品を立てて取り付けるのは出来るだけ避けたいがやむを得ない場合はショートしないように出力側を基板に密着させる
必ずピンの直前で切って曲げないと盛り上がって見た目が悪くなるしハンダ付け不良の原因になりやすい
回路基板完成までもう少し
LEDやダイオードなどは極性があるので足の長さや目印(切り欠きやマイナスマークなど)に注意する
LEDなどの傾きやすい部品は片方のリード線だけハンダ付けして傾きを修正してからもう片方をハンダ付けする
LEDの傾きを修正してからもう片方のリード線をハンダ付けしたところ
上の写真の裏面
最後に背の高い電解コンデンサを極性に注意してユニバーサル基板の穴に差し込む
背の高い電解コンデンサの極性に注意してユニバーサル基板に差し込んだところ
裏返して電解コンデンサのリード線を接続先のピンの直前でニッパーで切る
電解コンデンサのリード線をラジオペンチ(写真は精密プライヤー)で基板に密着させて膨らみのないように(空中配線にならないように)
リード線を基板に密着させてハンダ付け不良にならないように銅箔の間にもハンダが流れるようにたっぷりとハンダ付けする
LED点滅回路基板の完成写真
LED点滅回路基板の完成(ICソケットにICを正しく差し込んで動作確認する)

正しく配線する

ユニバーサル基板を使った詳しい配線方法はココ