光を感じるセンサで、いろいろな種類がありますが、基本的に長寿命で、発光ダイオード(LED)と組み合わせると、感知する物体に非接触で傷を付けたり故障したりする可能性が低くなります。

光センサの例

光センサの例(左からCdS、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトインタラプタ、フォトリフレクタ、フォトカプラ)

硫化カドミウムセル(CdS)

硫化カドミウムセル(CdS)の例

 明るさで電気抵抗が変換する硫化カドミウム(Cd+S)を使った光センサで、大昔は自動点滅器(ウインカーではなく、暗くなると照明が点灯するセンサ)などに使われていましたが、現在では有害物質のカドミウムと硫黄を使っているために国内での製造がされていません。

 そのため、硫化カドミウムセルに光学特性(高感度なことや光の波長に対する感度など)が似ているフォトトランジスタに置き換えられています。

フォトダイオード

フォトダイオードの例

 高速動作できるのですが、感度が低いため、光通信(赤外線リモコンや光ファイバーを利用したインターネット回線などに使われています。通常は高感度のフォトトランジスタが使われることが多いですが、紫外線センサや放射線センサなどにPINフォトダイオードが使われます。

フォトトランジスタ

フォトトランジスタの例

 一般的に高感度で低価格なため、光センサとして一番多く使われる光センサです。赤外線リモコンなどに使われる赤外線フィルタに覆われたものでは、照明器具などの外乱光の影響を受けにくく、赤外線リモコンの受信部には、赤外線フィルタの付いたものが使われます。

 逆に室内の明るさで画面の輝度を変えたり、暗くなると自動的に点灯する用途のセンサでは、可視光に感度のピークを持つものが使われます。

 最初に説明したフォトカプラやフォトリフレクタには、発光ダイオード(LED)とフォトトランジスタが使われていて、非接触で高感度に光を遮ったり、光を反射したりする物体を検出することができます。

フォトインタラプタ

フォトインタラプタの例

 発光ダイオード(LED)とフォトトランジスタを向かい合わせに組み合わせて、間を光を遮る物体が通ると感知するセンサです。

 非接触で物体を検出できるため、対象物に傷を付けたりすることが少なく、長寿命です。自動販売機で硬貨の通過を検出したり、警察の速度取り締まりなどに同じ原理のものが使われます。

 ちなみに警察の速度取り締まりで使われる光センサは、俗に「光電管」と呼ばれますが、光電管とは、ガラス管の中に電極を封入して真空にした、いわゆる真空管の一種で、衝撃に弱く大きく、応答速度の速い硫化カドミウムセルが使えない大昔に使われていただけで、現在はフォトインタラプタまたはフォトダイオードになっています。

フォトリフレクタ

フォトリフレクタの例

 発光ダイオード(LED)とフォトトランジスタを向かい合わせではなく、横並びに取り付けることにより、反射光を検出できるようにしたセンサで、向かい合わせに付けるフォトインタラプタと違い、光を透過してしまう紙の検出などに適しています。

 そのため、コピー機などで用紙サイズを自動的に検出したり、紙詰まりなどの検出に使われています。検出距離の長いものでは、向かい側に再帰反射板を設置して配線の手間を減らし(透過型光センサでは発光側と受光側の両方の配線が必要)、ホテルなどの自動ドアなど、誤作動しては困るセンサとして使われています。

 また、エレベーターのドアの両方の扉に設置して、人や物が挟まる前に反転して安全を確保するためセンサとしても多く使われています。

フォトカプラ

フォトカプラの例

 光センサではありませんが、発光ダイオード(LED)とフォトトランジスタの両方をパッケージに封入し、外の光が入らないようにしたのもがフォトカプラで、電気信号を光に変換して、その光をフォトトランジスタで電気信号に戻すことにより、電気的に絶縁(電気を通さない)することができます。

 これに、どんな意味があるかというと、電気的に絶縁することにより、誤配線や落雷などの誘導電流によりコンピュータなどの精密機器が損傷を受けるのを防いだり、発光ダイオードが光るエネルギーがないと作動しないことから、携帯電話やモーターなどで発生する誘導電流や電磁波の影響を受けにくくする効果があります。

 過電圧や誤配線で壊れるにしてもフォトカプラが壊れるだけで済む可能性が高く(さすがに雷の直撃を受けたら壊れますが)、その先にあるコンピュータやシステムに影響する可能性が相当低くなるため、屋外や工場で使われる機器、メカトロニクスで使われるブログラム・ロジック・コントローラ(シーケンサー)に使われています。