ユニバーサル基板の使い方(完全版)

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電子工作

 ユニバーサル基板(蛇の目基板)を使うコツを経験50年以上の技術者・専門学校講師・専門職執筆者が丁寧に解説します。

ユニバサル基板で作って回路の例
  1. ユニバーサル基板を選ぶ
    1. ユニバーサル基板のサイズを選ぶ
    2. ユニバーサル基板の材質を選ぶ
    3. 片面基板と両面基板を選ぶ
  2. 部品配置を決める
    1. コネクタは基板の外周に配置する
    2. 操作部は手前に表示部は奥に配置する
    3. 入力は左に出力は右に電源や負荷は奥に配置する
    4. 部品はできるだけ寝かせて配置する
    5. 抵抗などのリード線を直角に等間隔で曲げるには「リードベンダー」が便利
  3. 部品を仮固定する
    1. 穴あけや切断などの追加工が必要な場合は部品を仮固定する前に行う
    2. 高さの低い部品から両端または対角の2本の足だけをはんだ付けする
    3. 抵抗やコンデンサなどのリード線が長い部品は切らずに配線方向に曲げる
    4. 高さの高い部品を先に固定してやりにくい時は製図用テープを使うと便利
    5. ICやICソケットは基本的に凹を左側に向けて対角の2本の足だけを固定
  4. グラウンド(GND)の配線をする
    1. グラウンド(GND)は最優先!!
    2. グラウンド(GND)の配線は基本的に「すずメッキ線」を使う
    3. 放熱クリップまたは逆作用ピンセットを使うと楽に美しくできる
    4. グラウンド(GND)は基板の外周を通すと良い
    5. すずメッキ線は銅箔(穴)の中央を通すとショートしにくい
    6. グラウンド(GND)はICソケットの下を通すと邪魔になりにくい
  5. 電源の配線をする
    1. 部品のリード線で配線する
    2. 配線し切れなかった電源は耐熱ビニール線を使うと便利
  6. その他の信号線を配線する
    1. 抵抗やコンデンサなどのリード線付きの部品はリード線を曲げて配線する
    2. 隣どおしや隣の隣などの並行する配線は部品のリード線の余りを使うと便利
    3. 最終的に残った配線はラッピング線(ジュンフロン線)を使うと便利
    4. 並行した配線や間隔が2.54mm以外の部品を配置するにはシール基板が便利
  7. ユニバーサル基板裏面の配線の例
  8. ちなみに私の教え子のユニバーサル基板の配線の写真を下に紹介します。

ユニバーサル基板を選ぶ

 どうして「ユニバサル基板の使い方」なのに「ユニバーサル基板を選ぶ」のか疑問に思われたことでしょう。それは、ユニバーサル基板の選び方を間違えると、どんなにテクニックがあっても、悪いユニバーサル基板の使い方しかできなくなるからです。

無駄に両面スルーホール基板を使ったためにハンダが部品面に流れ出した例(この場合は大丈夫だがショートの原因になる)

ユニバーサル基板のサイズを選ぶ

 まず、ユニバーサル基板は、全部の部品が余裕を持って載ることが重要です。作る前に全部の部品を揃えてユニバーサル基板の上に載せて無理がないかを確認すると良いです。

 ユニバーサル基板のサイズが小さすぎると、部品配置に無理が来て、抵抗を立てて付けないといけなくなって、結果倒れて壊れやすくなったり、後で部品を追加しようと思ったときに場所がなくて裏に付けたり、チップ部品のような小さい部品を探して無理やり付けることになります。

 逆にユニバーサル基板のサイズが大きすぎると、「大は小を兼ねる」ということわざ通り、小さいよりは失敗は少なくなりますが、より大きく高価なケースが必要になったり、決まったサイズの制御盤に入らなくなり、部品コスト、運搬費、在庫保管場所などで困ることになりますし、結果的に高価なラッピング線の使用量が増えたりします。

ユニバーサル基板の材質を選ぶ

ユニバーサル基板(左から紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板)

 ユニバーサル基板の材質にも気を付けなければなりません。ユニバーサル基板の材質には、おもに紙フェノール基板(ベークライト基板)、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板(コンポジット基板)がありますが、材質選びを間違えると、ロボットなどの衝撃や振動が加わる基板が割れたり、落としたら割れたり、経年変化で故障したり、逆に穴などを追加工したり、ノコギリで切ったりする際にガラスエポキシ基板だと硬くて加工しにくく、ドリルやノコギリの刃がすぐダメになったりします。

 また、紙エポキシ基板は見た目は綺麗なのですが、紙だけに湿気や熱に極めて弱く、湿気を吸って反ったり、はんだ付けの時に焦がしたりする可能性もあります。

 ユニバーサル基板の銅箔は接着剤で貼り付けてあるため、部品の足を浮かせた状態ではんだ付けしたりすると、あるいはコネクタを抜き差しするときに揺らしたりすると、銅箔が剝がれてグラグラになって、結果、プリント基板では特に銅箔の配線が断線して故障します。

 これを避ける唯一の方法は、次に説明する両面基板のうち、両面スルーホール基板を使うことです。両面スルーホール基板は基板の表と裏の銅箔が穴の中のメッキで繋がっていて、そう簡単に剝がれなくなります。

片面基板と両面基板を選ぶ

片面ユニバーサル基板の例(銅箔が片面だけにある)
両面スルーホール基板の例(両面に銅箔があり穴の中がメッキで両面の銅箔が繋がっている)

部品配置を決める

  • できるだけ配線が近くなるような配置
  • 部品の向きは基本的に揃えた配置
  • 操作部は手前に表示部は奥に配置
  • 左が入力で右または奥が出力になるような配置
  • 部品は基本的に寝かせて付ける(立てて付けると折れやすい)

 ユニバーサル基板に部品をはんだ付けする前に、部品配置を決める必要があります。部品配置の基準は、配線が短く済み、できるだけ交差しないで済み、部品の向きを揃え、可能であれば入力が左側、出力が右側、操作スイッチなどは手前側、表示LEDなどは奥側にすると、配線しやすく使いやすくなります。

コネクタは基板の外周に配置する

 コネクタは基板の外周に配置しないと、動作検証のときにジャマになりますし、ケースに組み込んだときにケーブルが基板の上に来て調整や確認がしにくくなります。

 また、下の写真のような「ライトアングル」のコネクタ(横から抜き差しするタイプ)を使ってしまうとケースに組み込んだときに抜き差ししずらく、いちいち基板のねじ止めをはずさないとならなくなります。

ユニバーサル基板で電子回路組立をした例1
ユニバーサル基板で電子回路組立をした例2
ユニバーサル基板で電子回路組立をした例3

操作部は手前に表示部は奥に配置する

 操作部は手前に、表示部は奥にしておかないと、実際に使うときにスイッチを押すとLEDなどの表示が見えなくなりますし、テスターなどでICのピンをチェックするときも同様ですので、スイッチなどの操作部は手前に、LEDや液晶表示器などの表示器は奥に配置する必要があります。

操作スイッチなどを手前に、表示やLEDなどを奥に配置すると使いやすい(操作中に表示を隠さないで済む)
操作が手前で表示が奥
良くない部品配置(LEDが手前でテスターなどを当てるとLEDが見えない)

入力は左に出力は右に電源や負荷は奥に配置する

部品はできるだけ寝かせて配置する

 部品配置がだいたい決まったら、実際に抵抗の足などを直角に曲げて、できるたけ寝かせて付けるようにします。立てて付けると、触っているうちに何度も倒れて、しまいには金属疲労で部品のリード線が折れます。

配線のつごうで左下のマイコン(PIC16F887)を逆さまに配置したら間違えやすい
部品を立てて付けると折れて故障の原因になる
出力コネクタが奥にあれば実験などで使いやすい(電源入力は左、拡張出力を右にすれば次の基板への信号の受け渡しが楽になる)

抵抗などのリード線を直角に等間隔で曲げるには「リードベンダー」が便利

 抵抗などのリード線がアキシャル・リード(足が部品の両端から同軸になっている)部品を基板に寝かせて(立てないで)付けるには、部品のリード線を一定間隔で直角に曲げる必要があります。

 ラジオペンチでも不可能ではないのですが、一定間隔となると、いちいち測って曲げなくてはならず、数が多いととっても大変です。

 そこで、あると便利なのが、下の写真のようなリード線を2.54mmの整数倍でユニバーサル基板にピッタリ入るように曲げる「リードベンダー」または「リード折り曲げ器」と呼ばれる数百円の工具なのです。

リードベンダーの例(サンハヤトRB-5)
リードベンダーで曲げようとしている抵抗器と曲げた抵抗器

部品を仮固定する

穴あけや切断などの追加工が必要な場合は部品を仮固定する前に行う

 部品の固定のときに、ユニバーサル基板の基板の穴に入らない部品や、穴の間隔が合わない部品の場合は、部品を固定する前に穴を広げたり、穴をあけたり、基板をカットしたりします。

 そうしないと、部品を固定したあとでは加工がしにくく、基板を固定しにくくなり、安定しなくてケガをする可能性もあって危険ですので、これは絶対に守ってください。

部品の固定穴を追加工したり基板をカットしたりする場合は部品を固定する前にしないと困難になったり部品を壊したりする

 ただし、前にも説明したように、ガラスエポキシ基板(コンポジット基板)は穴をあけたりカットしたりするのが硬くて大変です。普通の超高速度鋼ドリルなどでは数回で使えなくなる場合もあり、できればダイヤモンドに次ぐ硬さのあるタンガロイ製のドリルを使うのが良いですが、電子工作では使い捨てを覚悟で百均のドリルを使っても良いでしょう。

高さの低い部品から両端または対角の2本の足だけをはんだ付けする

 部品の仮固定は、先ほど決めた部品配置をスマホなどで写真に撮り、高さの低い部品から、両端または対角の2本の足をはんだ付けするようにすると、斜めになったり、向きを間違えたり、基板との隙間ができてしまったときに修正がしやすくなります。

  • 抵抗やコンデンサなどのリード線付きの部品の足ははんだ付けせずに曲げて固定する
  • 高さの低い部品から先に付ける(ICソケットなどは先に付けないとリード線で配線できない)
  • 部品の仮固定は両端または対角の2本の足だけを少しはんだ付けする
  • 3本足の部品(トランジスタ、3端子レギュレータ、半固定抵抗など)は中央を少しはんだ付け
  • LEDなどは高さを合わせて片方の足だけを仮はんだ付け

 高さの高い部品(背の高い部品)を先に固定してしまうと、高さの低い部品をはんだ付けしようとして基板を裏返すと、高さの低い部品が落ちて固定しにくくなります。

高さの高い部品を先に固定すると高さの低い部品を固定しにくくなる!

抵抗やコンデンサなどのリード線が長い部品は切らずに配線方向に曲げる

 ただし、抵抗やコンデンサなどのリード線のある部品は、部品の足を曲げて、そのまま配線できれば、はんだ付けする場所が減って、半田付け不良も起きにくくなりますし、電気も確実に流れてくれますので、ICソケットやコネクタを先に仮固定して、後から半田付けせずにリード線(足)を曲げて、そのまま配線できると手間も減りますし、ラッピング線などのジャンパー線も不要ですし、見た目も良くなります。

抵抗やコンデンサのリード線は切らずに配線したい方向に曲げて固定すると良い(そのまま配線できて楽に信頼性が高まる)

高さの高い部品を先に固定してやりにくい時は製図用テープを使うと便利

もしも、高さの高い部品を先に固定してしまったときは、製図用テープなどで部品を固定してはんだ付けすると楽になります。セロハンテープでもできなくはありませんが、熱で溶けやすいのでお勧めしません。

対角または両端の2本の足だけをはんだ付けして仮固定する(やりにくいときは製図用テープなどで固定すると良い)

ICやICソケットは基本的に凹を左側に向けて対角の2本の足だけを固定

ICソケットは基本的に窪み凹を左側に向けて付けるとICの型番の向きに合う

グラウンド(GND)の配線をする

グラウンド(GND)は最優先!!

 グラウンド(Ground)は直訳すると、「地面」という意味ですが、GNDをしっかり配線しないと、回路の動作が不安定になったり、最悪の場合は燃えたりします。

 グラウンドは家にたとえれば「基礎工事」のようなもので、しっかり作らないと地震で倒壊したり、大型車が通ると揺れたり、地盤沈下で傾いたりしますよね?

電子回路のグラウンド(GND)は家の基礎工事と同じで正しく作らないと誤作動したり電流で発熱して燃えたりする

 ちなみに、我が家の昔のシ〇〇〇製の洗濯機は、端子台のねじ止めが不完全で、「発火の恐れがある」とリコールになって、しばらく洗濯機を使えませんでした。

 難しい話をすると、グラウンドが正しく配線されないと、大電流が一気に流れた際に配線の電気抵抗により電位差が生じ、その電位差と電流の積で発熱して、電線の耐熱温度を大幅に超えると発火するのですが、発火まで行かなくても、電位差でアンプの音が悪くなったり、デジタル回路の0が1になったり、逆に1が0になったりして誤作動するのです。

そこで、グラウンド(GND)を配線するときは、次のような点に注意する必要があります。

  • 電流に応じたできるたけ太い線で配線する
  • できるたけ短い距離で配線する(基板の外周部以外にあまり通すと後で詰む)
  • たくさんの回路がつながって来るために裸線を使う
  • できるたけ特定の配線に電流が集中しないようにする
  • アンテナになって電磁波の影響を受けるのを防ぐためにループを作らない

グラウンド(GND)の配線は基本的に「すずメッキ線」を使う

グラウンド(GND)の配線はできるだけ太い「すずメッキ線」を使う

 すずメッキ線は単線(芯線が1本だけ)の銅線の表面を金属の「錫(すず)」でメッキして、酸化しにくく、半田付けをしやすくした裸線の一種で、裸線なので、線の途中のどこでも半田付けできて、グラウンドや電源の配線に便利です。

 ただ、できるだけ太くといっても、あまり太いと熱を吸われて放熱されハンダの融点を下回って半田付けしにくくなりますし、曲げにくく、指で押さえてハンダ付けしようとするとヤケドします。

 また、直径が0.8mmや1mmのすずメッキ線だと、糸ハンダ(ハンダ線)と区別しにくく、ハンダだと思って指で摘まんでハンダ付けしようとしたら、「アチチチ」となる可能性が高いです。ちなみに私は何度も間違えました。

 そこで、電流が2アンペア以下など、パワー回路を除く電子回路では、私は直径が0.6mmのすずメッキ線を使うことが多いです。直径が0.6mmくらいだと0.8mmの糸ハンダと明確に区別できますし、そんなに細くもないので曲げてハンダ付けがしやすいです。

放熱クリップまたは逆作用ピンセットを使うと楽に美しくできる

 前に説明したとおり、すずメッキ線を指で押さえてハンダ付けしようとすると熱いので、放熱クリップまたは逆作用ピンセットで押さえると楽にはんだ付けできます。

放熱クリップの例(アルミ製のクリップ)なければ目玉クリップでも可
目玉クリップの例
逆作用ピンセットの例(握ると開く)

グラウンド(GND)は基板の外周を通すと良い

 グラウンド(GND)を基板の外周以外に通すと、他の部品を付ける妨げになったり、電源の配線の妨げになったりしますので、最初は基板の外周にループを作らない程度に配線し、必要に応じてできるだけ他の部品や配線の邪魔をしないように基板の内側に入り込みます。

放熱クリップや逆作用ピンセットで押さえてすずメッキ線で基板の外周にグラウンド(GND)を作る
グラウンド(GND)の配線を太めのすずメッキ線でループさせない程度に外周を通して配線する
基板の外周をグラウンド(GND)のすずメッキ線でループしない程度に囲むと配線が楽になりシールド効果で安定性も増す

すずメッキ線は銅箔(穴)の中央を通すとショートしにくい

すずメッキ線は銅箔の中央を通して接続点を確実にはんだ付けする(すずメッキ線に熱を吸われてはんだ付けしにくい)

グラウンド(GND)はICソケットの下を通すと邪魔になりにくい

 基本的にICソケットの裏などは他の部品が付くことはないため、グラウンド(GND)と電源の配線を横に2段に通すのがおすすめです。

グラウンド(GND)はICソケットの下を通すと邪魔にならない

電源の配線をする

 グラウンド(GND)の配線が全部終わったら、次に電源の配線をします。なぜ先にグラウンド(GND)の配線をするかといえば、グラウンド(GND)は非常に重要で、家にたとえれば下水道管のようなもので、細いと下水があふれ出したり、流れが悪くなってなかなか次の信号を流せなくなり、動作が不安定になったり、音が悪くなったり、光が弱くなったり色々な問題を引き起こします。

 そこで、グラウンド(GND)を先に通し、基本的にジャンパー線(ビニール線など)で配線してはいけません。逆に電源の配線は、いくらか細くてもグラウンド(GND)よりは回路に与える影響は少なくなります。

 簡単にいえば、グラウンド(GND)が下水管で、電源が上水道管(水道管)のような感じです。水道管が細くて長くても、水が出るまでに時間がかかったり、水の出が弱くなったりしますが、家の床が水浸しになるよりはマシです。ましてやトイレの下水管が詰まって溢れるなど想像もしたくないですよね?

 しかし、電子回路では、電源も基本的にすべての回路につながります。そこで、グラウンド(GND)と同じように裸線を使う必要があるのですが、グラウンド(GND)と同じ太さのすずメッキ線を使ってしまうと、グラウンド(GND)と電源の配線を混同しやすくなります。

 グラウンド(GND)と電源の配線が混ざると、どうなるかといえば、ショートして故障や発火の原因になるということです。なので私は、混同しないように電源には直径が0.5mmのすずメッキ線を使うようにしています。

 そうすることにより、通電前のチェックも一瞬見ただけで、配線を追わなくてもグラウンド(GND)か電源かのチェックができます。

 どうしてもグラウンド(GND)と電源の配線が交差してしまうとか、電源の次の接続点が遠い場合は、下の写真のように太めの耐熱ビニール単線を使うと良いです。

部品のリード線で配線する

 グラウンド(GND)と電源の配線が済んだら、次に抵抗やコンデンサなどのリード線を曲げて配線できるところは配線したほうが、時間も手間も節約でき、ハンダ付け場所が半分に減って電線よりも付けやすいため、信頼性も高まります。

 部品のリード線で配線するためには、抵抗やコンデンサなどのリード線のある部品を固定するときに、はんだ付けせず、部品のリード線を切らないことが重要です。

部品のリード線を曲げて接続先の直前で切ってはんだ付けする
部品のリード線を曲げて配線するときは隣の配線と銅箔を介してショートしないように直角または45°に曲げる
部品のリード線で配線できるところは可能な限りする(部品交換しにくくなるので交換する可能性のある部品は普通に切ってはんだ付けする)
リード線で配線する場合は直角または45°に曲げないと隣の配線とショートする可能性がある
次々と曲げてはんだ付けする
密着させにくい場所はラジオペンチなどで押さえて曲げて密着させる

 LEDのグラウンド(GND)側のように、同じ配線がずっと続くような場合は、デイジーチェーンのように、部品のリード線を「数珠つなぎ」にします。具体的には下の写真のようにします。

部品の足を隣の部品の足まで曲げて切る
同様に曲げて切る
数珠つなぎにするリード線をはんだ付けする
リード線を隣の部品の足まで曲げて切ってその隣も曲げて隣の隣で切ってはんだ付けする(数珠つなぎ)

配線し切れなかった電源は耐熱ビニール線を使うと便利

 すずメッキ線で配線しきれなかった電源は、太めの耐熱電線である「ジュンフロン線」が理想ですが、ない場合や高すぎる場合は、単線の耐熱ビニール線でも大丈夫です。耐熱でない普通のビニール線でも使えないことはありませんが、逆作用ピンセットなどで固定してはんだ付けすると熱で被覆のビニールが溶けて下のグラウンド(GND)のすずメッキ線とショートしたりしますので注意が必要です。

単線耐熱ビニール線の例
耐熱電子ワイヤー(耐熱ビニール線)の例
どうしてもグラウンド(GND)と電源の配線が交差してしまうか遠い場合は太めの単線耐熱ビニール線を使うと良い

その他の信号線を配線する

抵抗やコンデンサなどのリード線付きの部品はリード線を曲げて配線する

 前にも説明しましたが、抵抗やコンデンサなどの長いリード線を持つ部品の配線は、切ってはんだ付けするのではなく、はんだ付けせず切らずに直角または45°に曲げて、そのまま相手にはんだ付けするのが楽で、見た目も良いですし、確認も楽になります。

部品のリード線を曲げて切ってはんだ付けすると楽で美しく確認もしやすい
このように部品のリード線を曲げて配線するとジャンパー線不要で楽で美しく仕上がる

隣どおしや隣の隣などの並行する配線は部品のリード線の余りを使うと便利

 隣どうしや隣の隣への配線は、できるだけ部品のリード線を切った余りで配線すると楽です。すずメッキ線でもできなくありませんが、すずメッキ線よりも部品のリード線を切った余りのほうが「ハンダメッキ」されていて、すずメッキ線よりもはんだ付けしやすいことが多いからです。

平行する短い配線は部品のリード線を切った余りで配線すると良い
部品のリード線を切った余りで配線したユニバーサル基板の例(斜め45°で銅箔の中央を通すのが配線がショートを防ぐためのテクニック)

 そのために、抵抗やコンデンサなどのリード線を切った余りは捨てずにとっておくと、後で便利に使えますし、資源リサイクルや環境保護にも役に立ちます。

 ただし、LEDのリード線は四角いことが多いので、基板の配線に使うときに転がらなくて押さえやすい利点はありますが、見た目があまり良くありませんので、分別してとっておくと良いです。いざというときは、すずメッキ線のかわりに使えます。

抵抗やコンデンサなどのリード線を切った余りは捨てずにとっておく(LEDのリード線は四角いことが多いので別にとっておく)

最終的に残った配線はラッピング線(ジュンフロン線)を使うと便利

 残りの信号線は、基本的に電流は少ないですが、ほぼ他のすずメッキ線と交差するはずなので、細めの単線で配線します。

 単線は芯線が1本だけの銅線で、基板の裏側の配線に使うと、曲げたら曲げたままの形を保ちますので、見た目がすっきりして配線の確認がしやすいです。

 基板の外に単線を使うと、何度も曲げているうちに中の芯線が金属疲労で断線して故障しますので、基板の外の配線には複数(7本以上)の細い銅線が集まって出来ている柔らかい「より線」を使わなくてはなりません。ちなみに家電製品のコードは全部より線です。

 基板の配線には、アメリカの呼び方でAWGナンバーというものがありますが、そのAWGナンバーでAWG28(芯線の直径が0.3mm)またはAWG26(0.4mm)程度の単線が適しています。AWG30(0.26mm)でも何とかなりますが、細すぎて頼りないですし、被覆(ひふく)をむきにくいです。

単線のジュンフロン線の例

 基板内の信号線の配線(ジャンパー線)は、直角に曲げると見た目は良いですが、電線が細いと頼りないですし、配線の確認が面倒になります。

 少し余裕を持たせて「なだらか」に配線すると、配線は少し楽ですが、嫌う人もいます。どちらが良いかは場合による(たとえば周波数が高い場合や電流が大きい場所は短いほうが良い)のですが、性格で決めても良いと思います。

 ちなみに私はコツコツやるのが苦手なので、強い希望がない限り、楽なほうで配線します。

  • あまり長くしない
  • 芯線を傷つけないように「ワイヤーストリッパー」の適切な溝でひふくをむく
  • 部品の上や部品の足の真上を通らないようにする
  • むき過ぎずに銅箔の直径程度の長さをむいてはんだ付けする
  • 配線の確認がしやすいようにピンピンに張らない
ワイヤーストリッパー(電線のひふくをむくための工具)
ワイヤーストリッパー(VESSEL)の先端部(芯線の太さに合った溝で電線のひふくをむく)
ワイヤーストリッパー(VESSEL)の電線の芯線の太さ対応表(グリップ部に付いていて便利です)

 ちなみにワイヤーストリッパーの溝は電線の芯線の太さに適合した穴を使って、まず強く握ってひふくに切れ目を入れ、少し握りをゆるめてまっすぐ引っ張ります。

 強く握ったまま引っ張ると芯線に傷が付き、断線しやすくなりますし、ひふくが全部むけてしまって丸裸になったりします。

 あまりゆるめて引っ張ると、ひふくの表面を引っ搔くだけで、ひふくがむけず、はんだ付けもできませんし、もちろん電気も通りません。

 ちから加減が難しいため練習がひつようです。

基板配線の注意点

並行した配線や間隔が2.54mm以外の部品を配置するにはシール基板が便利

 同じ長さの配線が多く並行しているところや、部品の足の間隔(ピッチ)が2.54mm以外の部品を配線するときはシール基板を使うと便利です。シール基板は少し高いですが、ハサミで切って専用の接着剤でユニバーサル基板に貼ってはんだ付けすれば、簡単に見た目も美しく仕上がります。

シール基板を使った手抜き配線の例(自作キーボード基板)

ユニバーサル基板裏面の配線の例

ユニバーサル基板裏面の配線の例1(すずメッキ線によるGNDと電源、ラッピング線による信号線の配線)
ユニバーサル基板裏面の配線の例2(一部すずメッキ線による配線、ラッピング線による表面・裏面の配線)
ユニバーサル基板裏面の配線の例3(部品のリード線を曲げてGNDと電源の配線、すずメッキ線でGNDだけ配線)
ユニバーサル基板裏面の配線の例4(お手本用に電源の配線にもラッピング線を使って見やすくした例)
ユニバーサル基板裏面の配線の例5(透明なラッピング線を使った配線例:裸線でないので注意!)
ユニバーサル基板裏面の配線の例6(部品のリード線を切った余りでGNDと電源を配線した例:リユース)
ユニバーサル基板裏面の配線の例7(部品のリード線でGNDと電源を配線、透明なラッピング線で信号線を配線した例)

ちなみに私の教え子のユニバーサル基板の配線の写真を下に紹介します。

あまり良くない配線の例(カラーパスタ食べ残し風)
汚めの配線(でもマシなほう)
まあまあの配線
そうめんの食べ残し風(しかも指でベタベタ触って銅箔が錆びてしまっています)