マイクロコンピューターを使ったコントローラー
pic16F887マイクロコンピューターを使ったコントローラー

 マイクロコンピュータの性能を決める要因には、さまざまなものがありますが、重要なのは次のようなものです。

  • 同時に処理できるビット数
  • 同時に処理できるコア数
  • 同時に処理できるスレッド数
  • CPUコアのクロック数あたりの命令数
  • クロック周波数

 また、メモリーの量によっても、処理できるデータの量やプログラムの複雑さが変わります。マイクロコンピュータでは、メモリーは読み出し専用のROMと読み書きできるRAMに分かれているのが一般的で、基本的にROMは電源を切っても消えないため、プログラムや基本データを記憶するのに使われ、RAMは基本的に電源を切ると消えてしまうため、処理途中のデータや常に必要としないプログラムを記憶するのに使われます。

 メモリーのサイズが小さいと、処理できるデータの量に限りがあったり、一時的にハードディスクやフラッシュメモリーなどに必要ない部分のプログラムやデータを退避させる仮想記憶を利用するとしても、処理速度の大幅な低下は避けられません。ハードディスクはRAMの百万倍前後遅くなる場合もありますし、フラッシュメモリーも読み出しは速いのですが、書き込みはRAMの千倍以上遅いことが多いです。

  • メモリーのサイズ

 また、マイクロコンピュータの場合、入出力はキーボードやマウス、ディスプレイやプリンターなどではなく、1ビットずつのデジタル入出力であったり、センサーなどのアナログ入力であったりすることが多く、入出力のポート数が足りないと、どんなにコンピューターの処理能力が高くても使えません。

  • 入出力ポートの数

 通信やディスプレイやプリンターなどの通信を必要とする周辺機器では、特殊な回路を必要とするため、グラフィックアダプターやシリアルポートなどの機能が必要で、パソコンなどでは最近はCPUの中に内蔵されている場合も多いのですが、高性能なものを必要とする場合、外付けで対応しなくてはなりません。

  • 信号レベル

 マイクロコンピュータの電源電圧は5ボルトないしは3.3ボルトのものが多いので、必然的に入出力電圧は0ボルトか電源電圧と同じになります。マイコンの入出力に電源電圧以外の電圧を入力する際や、電源電圧以上の電圧を制御しないとならない場合、電圧変換や絶縁のために、ドライバー回路あるいはインターフェース回路が必要になります。

マイクロコンピュータの使いやすさを決める要因

 必要な性能や機能を満たす場合でも、使いやすさは別の問題があります。使いやすさの評価は人によって違うので難しいのですが、特に注意しないとならないのは次のようなことです。

  • 専用の書き込み器を必要とするか
  • プログラムの開発に使えるパソコンがあるか
  • マイコンの入手はしやすいか
  • プログラムの開発に使う言語は何か
  • そのマイコンの情報は多くあるか(日本語/英語)
  • トラブルに遭った場合に聞ける人は近くに居るか
AVRマイクロコンピューター専用の書き込み機の例(AVR-ISPmkII)

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